紫アスパラガスとフムスのサラダ仕立て。。。

紫アスパラの生食サラダ。生カシューナッツとココナッツオイルのディップで。。

紫アスパラとフムスのサラダ仕立て。。。

 紫アスパラガスは、グリーンアスパラガスやホワイトアスパラガスに比べて、食感が柔らかく、甘味があるので生食に向きます。茹でると紫色素は溶け出してしまって、グリーンアスパラガスと変わらなくなってしまうので、食卓の彩りを演出するのにも、生食が適しているでしょう。アスパラガスは収穫後どんどん甘味が消えてしまうので、なるべく早く食べたほうが、味の深みを楽しめます。菜園家ならではの自然の恵みですね。数年前に自然光を遮断してホワイトアスパラガスを栽培しましたが、苦味が強く、気味が悪かったので、栽培をやめました。自然に栽培すれば甘いのに、わざわざ苦くするのはどういったものでしょうか?光を遮断するので、植物光合成ができず、根から吸収したチッソ分が消化されず、硝酸態チッソとなり苦味成分となっているのかも知れません。硝酸態チッソは酸素欠乏症や発癌の原因物質です。もし、ホワイトアスパラガスの苦味がそれであるなら、恐ろしい話ですね。
 フムスはヒヨコ豆主体のペーストで、中東や地中海沿岸地域の伝統的家庭料理。世界の豆料理の中でも人気の高いレシピです。ベジタリアンのメニューに必ずと言っていいほど登場する、ヴィーガンにもとてもポピュラーな逸品です。ペースト状なので、他の料理に合わせやすく、我が家でも常備菜のひとつとして、通年たびたび食卓にのぼります。ヒヨコ豆は我が家の菜園では栽培していませんので、購入しますが、すでに煮てあるものが缶詰などで売っていますので手軽に自家製フムスができます。他に練りゴマ、オリーブオイル、レモン果汁、すりおろしニンニク、塩が入っていますが、どれも健康に貢献する食材ばかりでスーパーフードど呼ばれる所以です。
 紫アスパラの仄かな甘みと相まって、美味しくて、ヘルシー、そしてバランスの整った逸品です。

 

紫アスパラガス

紫アスパラガス

 アスパラガスは、地中海沿岸が原産地だそうで、ユリ科の多年生草本植物です。近年の新しい植物の分類法APG体系ではキジカクシ科とされています。和名はオランダキジカクシ。成長するとその草姿がキジを隠すほどになる事とオランダから持ち込まれた事から名付けられたそうです。ん〜?もう少し責任感のあるネーミングを期待してしまうのは私だけでしょうか?キジが隠れる植物はいくらでもあると思いますよ。オランダから来たやつも。。。

 他にも、マツバウドや野天文(のてんもん)などの和名がありますが、北海道ではホタルグサと呼ばれていたところもあるそうです。

 新芽の茎が20〜30cmくらいに成長したものを食用とします。最近では50cmもある香川県が開発したロングアスパラガスなんてものもあります。通常、一般に流通しているものは、グリーンアスパラガスですが、ホワイトアスパラガスや紫アスパラガスがあり、ごく少数ですがピンクアスパラガスもあります。

 食用の歴史は古く、紀元前2000年頃からとされています。古代ギリシャ、古代ローマ時代には栽培されていたそうです。日本へは江戸時代、オランダから長崎に伝えられたのが最初とされています。当時は、観賞用として認識されただけで、食用とされたのは明治に入ってから。フランスとアメリカから導入し、横浜と神戸で試作栽培されたそうです。その後、大正13年には、北海道岩内町に日本アスパラガス株式会社が設立され、昭和4年には、北海道喜茂別町で本格的な缶詰加工用のホワイトアスパラガスの栽培が始まったそうです。戦後の昭和生まれの私たちには、まだ冷蔵庫の普及が少なく、また冷蔵庫が普及し始めても電力の供給が不安定だったので、この缶詰のホワイトアスパラガスはありがたい常備食でした。今でも、我が家の災害時用のバッグに入っています。おそらく、長期に渡って成功を収めた6次産業の一つと言えるでしょう。

  さて、紫アスパラガスですが、大元はイタリア北部で生まれたVioletto di Albengaという品種だそうです。これを祖先にしていろいろな紫アスパラガスが世界で育種されて、今の紫アスパラガスが存在しているとのこと。そう言った意味では、紫アスパラガスは「イタリア野菜」と言えるかもしれません。紫アスパラガスに関してはオランダキジカクシではなく、是非イタリアキジカクシと呼びたいですね。

 

天高く マヤ放つ 愛
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イタリアントマト「コストルト・フィオレンティーノ」
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