天使の髪の毛という名のパスタを、トピナンブールのスープ仕立てで。。。
黄金に輝く麺が金髪のようで美しい。イタリア語で Cpelli d'angelo 「天使の髪の毛」という名のパスタを、トピナンブール(和名:菊芋)をスープに仕立てていただきます。トピナンブールにはイヌリンという成分が含まれていて、これが糖尿病や大腸ガンなどの抑制を促すことが認められています。かつてハンガリーで国民の半数以上が糖尿病になった際、強制的に国民全員に毎日トピナンブールを食べさせて、糖尿病を克服したそうです。また、腸内フローラを整えて免疫力アップにも繋がるそうで、現在のコロナ禍での個人的な対策としても有効かもしれません。スープには、トピナンブールの独特の匂いを美味しい香りに変えるためローズマリーを加え、自家製のビーツ・パウダーで色を整え、白ワインと日本酒とミネラル塩で味を整えました。天使の御利益とイヌリンの効力がダブルでありがたい逸品です。
トピナンブール・ロッソ(赤菊芋)
トピナンブールの原産地(生まれ)は北アメリカ。ネイティヴ・アメリカン(アメリカ先住民)トピナンブ族が昔から食用にしていたものが、17世紀にヨーロッパへ導入されたそうです。トピナンブ族からのものだからトピナンブールと名付けられ、アーティチョークに味が似ているからエルサレム・アーティチョークという俗称もあります。日本では幕末あたりに入ってきたようですが、食糧として活躍したのは第2次世界大戦後。食糧難の中で「作付け統制野菜」に指定され、国民の飢えをしのぐ代用食として配給されていたそうです。その後、日本人にはこの独特の匂いが馴染めず食卓に定着しませんでした。現在、北海道から九州に至る各地で、秋頃になると自生したトピナンブールの花が咲いているの見られますが、その頃の名残りだそうです。トピナンブールの生命力の強さを感じる一面です。
欧米では、非常食としての利用のほか、自然療法の薬用ハーブとして用いられていました。アメリカでは兵士の傷の回復に、イタリアでは胃の病いや風邪に、リトアニアでは便秘やジンマシンに、ハンガリーでは国家をあげて糖尿病の抑制に利用されていたそうです。
その効果の元はイヌリンという食物繊維です。このイヌリンが体内で多大の作用をし、また、ビタミンやミネラルなども含まれていて、これらの抗酸化作用との相乗効果で糖尿病や大腸ガンなどを抑制し人体に健康をもたらすそうです。その色々な効果の中に、腸内フローラを整えて免疫力をアップするということがあります。免疫力が強くなるなら、このトピナンブールは現在のコロナ禍で有効な対策の一つかもしれませんね。
ビーツ
晩秋の候、収穫したビーツで、ビーツ・パウダーを作っておくと、料理の彩りに便利です。
今回は薄茶色に濁ったトピナンブールのスープの色調整に利用しました。パスタの黄金色がより美しく見えます。また、塩と混ぜてフリットに振りかけるなど、手軽に料理を美しくできる一品です。
ハーブ「ローズマリー」
色々な料理に利用されるハーブ「ローズマリー」。今回は、トピナンブールのスープの独特な匂いを和らげて、ローズマリーの美味しいそうな香りを纏わせるのに利用しました。